ロードセルの測定原理や種類、選び方について

ロードセルの測定原理をはじめ、ロードセルの種類、ロードセルをより深く理解するために知っておきたい関連用語、ロードセルの選び方について詳しく解説します。

ロードセルの仕組みと測定原理

ロードセル

ロードセルの仕組みのカギは、金属の起歪体(きわい体)という特性と、装置内部のひずみゲージとブリッジ回路(電気抵抗)にあります。
金属は、力が加わるとバネのように伸縮します。金属を両端から少しずつ引っ張っていくと最後には破断しますが、金属に対する荷重と伸びの過程をみると、降伏点(形状変化点)までは均一に形状を変化させるといった性質があります。降伏点を過ぎる前の状態を弾性域と言い、力を加えなければ伸びが元に戻ります。降伏点を過ぎた後の状態を塑性域と言い、力を加えていなくても伸びた部分は元に戻りません。
この弾性域の部分を荷重センサとして利用した計量器が「ひずみゲージ」です。
ロードセルに力が加わると少量の金属箔が変形し、それと同時に、表面に貼り付けたひずみゲージも変形します。ひずみゲージは変化の量に応じ、測定箇所にどのくらいの抵抗(ひずみ)が生じているかを電気抵抗値としてとらえます。
ブリッジ回路という電気回路に定電圧を供給すると、出力端子からひずみゲージがとらえた電気抵抗値の変化が目に見えないほどの微量な電圧として出力されます。ロードセルはこのような電圧として出力された電気抵抗値をもとに、その場所にかかっている負荷の大きさを数値化します。
これがロードセルの仕組みと測定原理です。

荷重の方向により分類したロードセルの種類

ロードセル

ここでは、荷重の方向により分類したロードセルの種類について紹介します。

・圧縮型のロードセル

圧縮型のロードセルは、圧縮方向に加わる荷重を測定するために設計されています。コンパクトな構造が特徴的な圧縮型は、用途に応じて1個で天秤のように使用する場合もあれば、タンクの下に3、4個を取り付けて測定する、試験装置に組み込んで使用するなど、汎用性に優れたロードセルです。

・引張型のロードセル

引張型のロードセルは、引張方向に加わる荷重を測定するために設計されています。製造ラインや重量測定、クレーンケーブルの吊り荷重測定、ワイヤーロープの張力測定などの工業用途に適したロードセルです。

・両用型のロードセル

両用型のロードセルは、圧縮・引張両方の方向に加わる荷重を別々に測定するために設計されています。

外形により分類したロードセルの種類

ロードセル

ロードセルの外形により種類を分類すると、「ビーム型のロードセル」、「S字型のロードセル」、「コラム型のロードセル」、「ダイヤフラム型のロードセル」などがあります。取り付ける場所や作業内容に応じ、適した外形のロードセルを選択することが重要です。
ここでは、外形により分類したロードセルの種類について、それぞれの特徴を紹介します。

・ビーム型のロードセル

引張・圧縮型とも呼ばれるビーム型のロードセルは、産業用のタンクやホッパースケール、台ばかり、パッカースケールなどで使用されることが多いです。1個で使う場合もあれば、荷重を均一にかけるために3、4個を同時に使用することもあります。

・S字型のロードセル

両用型ロードセルとも呼ばれるS字型のロードセルは、引張と圧縮どちらも測定値を出力できます。引張試験機やタンクの計量、トラックスケール、ホッパーなどで多く使われています。圧縮方向からの荷重を測定し、左右にかかる荷重をそれぞれ計測できることが特徴です。

・コラム型のロードセル

圧縮型とも呼ばれるコラム型のロードセルは、圧縮方向の荷重のみを測定します。あらゆる場所へ設置できることから、産業用のタンクやホッパー、トラックスケールに多く使われています。

・ダイヤフラム型のロードセル

ダイヤフラム型のロードセルは圧縮型で、圧縮方向の荷重のみを測定します。薄型構造のロードセルであり、高さも低くできるので設置場所の制約が少ないのが特徴です。

ロードセルに関する用語について

ロードセル

ロードセルに関する理解を深めるために、その用語ついて紹介します。

「ひずみゲージ」とは?
ひずみゲージは、荷重が加わった時に起こる歪みが、ひずみゲージの電気抵抗を変化させます。電気抵抗の変化は負荷に比例するため、その変形量を測定することで力を計測します。ロードセルの出力信号のタイプは「空気圧」や「油圧」も存在しますが、多くの場合、「ひずみゲージ」のロードセルを使用しています。
「定格荷重(定格容量)」とは?
定格荷重は、ロードセルの仕様に定められた最大荷重のことです。定格容量とも呼ばれます。
「許容過負荷」とは?
仕様に定められた定格荷重を越える負荷をかけても破損しない最大荷重のことです。許容過負荷は%で表します。
「許容温度範囲」とは?
ロードセルにダメージ(永久変化)を生じることなく使える温度範囲のことです。
「推奨印加電圧」とは?
ロードセルに電圧を与える際に、最も適した印加電圧の値です。推奨された印加電圧の値を超えて印可すると焼損や故障の恐れがあります。
「圧入力」とは?
「圧入時のピーク荷重値」または「圧入終了直前の荷重値」のこと。以下、それぞれ「ピーク値」「エンド値」と称します。
「定格出力」とは?
定格荷重をかけたときと、無負荷のときの出力の差を百分率で表した値です。印加電圧1Vに対する出力をmV/Vで表します。
「ヒステリシス」とは?
定格荷重の増加時と減少時におけるロードセルの出力差の最大値を、定格出力に対する百分率で表した値です。
「非直線性」とは?
無負荷の状態からの出力と定格負荷時の出力までを結び、基準となる直線に対する荷重増加時の出力と最大偏差のことです。荷重と出力の関係を百分率で表し、荷重が増加したときに測定します。
「繰り返し性」とは?
同じ負荷条件・同じ周囲条件において、同じ荷重を繰り返し負荷させたときの出力の最大差のことです。通常、定格負荷において測定して、定格出力の平均値に対する百分率で表します。
「零バランス」とは?
荷重をかけない状態のロードセルに、印加電圧をかけたときの出力電圧の値です。

ロードセルの選び方

ロードセル

最後に、ロードセルの選び方について紹介します。
ロードセルの種類は、「1.質量を測定する」「2.力を測定する」の2つの用途に分けて分類されます。
例えば、物の重さを測るための“はかり”に使用するのであれば、質量を測定するためのロードセルが必要になります。

はかり用で使用する際に適したロードセル選び

はかり用で使用する際に適したロードセルは、長期にわたる繰り返しの使用も安定かつ精度良く測定できるかどうかが重要です。他にも、測定可能な最大重量やロードセルの大きさ、測定精度、型式などを重視して選びます。

力測定用で使用する際に適したロードセル選び

力を測定するために使用するのであれば、定格容量や大きさの他、変動する荷重に対する応答性が足りているかどうか、最大許容過負荷、測定可能な荷重方向、精度などを重視して選びます。定格容量をみて、実際にかかる負荷よりも余裕をもたせたロードセルを選定することをおすすめします。



ロードセルは目にする機会はあまり多くありませんが、製造の現場など計測システムを構築する分野において欠かせない計測器の一つです。ロードセルの導入を検討される際は、ぜひ今回紹介したロードセルの測定原理や種類、仕様用語、選び方などを参考にしていただければ幸いです。